投稿日:2006年11月14日
「観」とは、心の眼で観ることを意味する。
例えば「観光」という本来の意味は、過去の先人が残した光を心の眼で観ると言うこと。
「観光」だから、お酒を飲み、いいかげんな気持ちで神社仏閣を訪れる人が多いようだが、本来の意味を知らないで使っている。心得なければならない。
五観の偈とは、食前に唱える食する心構えが示される、五つの短い経文である。
五観の偈とは、
- 一つには功の多少を計り、彼の来処を量る。
- 二つには己が徳行の全欠を忖って、供に応ず。
- 三つには心を防ぎ、過を離るることは、貪等を宗とす。
- 四つには正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんがためなり。
- 五つには成道のための故に、今この食を受く。
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意味を簡単に述べると、
- 感謝
- 他のものの生命に支えられ、犠牲の上に生かされている。感謝していただきます。
- 反省
- 大切な生命を頂ける日々の生活を送っているか、反省していただきます。
- 正しい心を育てる
- 形を大切にして、作法を重んじる。姿勢を正しくして、器を取り上げて、残さずいただきます。
- 心身の健康
- 身と心の健康を保持するが故にいただく。
- 菩薩道の実践
- 限りなく仏になるよう精進努力するが故にいただく。
皆様次の三つを肝に銘じ、食事を頂戴して欲しい。
- 自分が生きるために、動植物の尊い生命を犠牲にしていること。
- 動植物の尊い生命を無駄にすることなく、適量をわきまえて、感謝していただくこと。
- 食することで得られた生きる力を社会のために役立てる。
以上
大雄寺住職 倉澤良裕 記す