今日いろいろな社会問題や青少年の犯罪事件が発生し、心の教育の重要性に目をむけられております。
物の豊かさから心が貧しくなり、金中心、拝金主義からくる歪みが大きな理由と思われます。心の教育は、宗教教育、道徳教育であります。
過日、長く海外生活をしている方からこんなお話をうかがった。元来日本人は、道徳意識が高く、社会規範を守る民族である。例えば、立入り禁止という看板のみで、それを守るといった意識が強い。「『芝生に入るべからず』という看板でそれを守る民族、大変羨ましい民族と欧米人は見ていますよ」と。
一方欧米人は、このような看板では守られず、そこに罰則や罰金を課すことでそのことを守らせるという民族が、欧米人であると言われました。確かに外国では、禁止や規則の看板に罰金表示が加えられているのをよく見ることがあります。
日本民族は、古来より中国から伝えられた儒教や宗教が、民族精神に深く植え付けられていたのではないか。ところが、最近このような精神が消えかかっているように思える。
ポイ捨て禁止の条例に、罰則、罰金をちら付かしているのが現状です。
大人社会において、モラル、マナーの欠如が、子供たちに悪い影響を与えているのも事実であります。
子供たちが心豊かな人間として育まれていくには、まず私たち大人が目覚めなければならないと思います。
大雄寺住職 倉澤良裕 記す