一年交換留学生(タイ国、アタボーウォン・ゴルフ)が、ホームスティしている。
日本の少し前の高校生に見られるような子である。
例えば、私が庭掃きをしていたら、箒を持って手伝う。
別に「手伝いなさい」と言った訳でないのに。
また、こんなこともあった。
買い物に行って荷物持ちをかってでることや履物を履きやすく出してくれるなど、相手の人を気遣う思いやりのある、優しい子である。
日本に来て2ヶ月を過ぎようとしているが、家族の一員として我息子同様に接しながら、感心することが多々ある。
また、経済観念もしっかりしている。
スナップ写真の現像の件で、日本では一枚30円、タイだと一枚10円。
日本は高い。だから、タイに帰ってから現像する、と言う。
私が3分の2手伝うから(私たちも見たいから)、納得の上プリントした具合である。
お小遣いは不足しているわけでないが、無駄遣いしない。
ある日アイスクリームを家族みんなに買ってきてくれた。
ゴルフのおごりである。
どうやら、ゴルフの考えは、タイの家族にお金を貯めてお土産を買って帰りたいようだ。
私の家で使用している“家庭用ヨーグルト製造機”、“食器乾燥機”大変便利で、タイにはないということである。
タイは、皆さんも知ってのとおり仏教国である。話を聞くと、20歳になると寺院に入り3ヶ月間修行する。
例外として健康状態等で20歳で行けない場合でも、その後に必ず修行するとのこと。
何故修行に行くのかとの答えは、「報恩 感謝」と言うことである。
親への感謝、育ててくれたことに対しての恩に報えるため、そして、このことに対して当然のことと受け止めているのである。
タイの歴史や社会から国民性を伺うことができる。
これらの要因だけではないでしょうが、しつけや家庭教育、地域との関わりで家族愛が深まり、強いきずなで結ばれていくのであろう。
そして、素直さ、温厚、思いやりが養われ、豊かな心が育てられると思う。
昨今の日本に失われつつある豊かな心、思いやりの心を一刻も早く取り戻さなければならない。
日本には、昔から儒教や宗教が民族精神に深く植え付けられていて、道徳心や公共心が養われていたはずだから。
学校、家庭、地域社会が一体になり、21世紀を担う子どもたちを育んでいかなければなりません。
大雄寺住職 倉澤良裕 記す