今から310年前のご縁がきっかけで、今年、牡丹開花の素晴らしい時期に胡弓演奏会を開催することとなりました。
そのご縁についてお話をさせていただきます。
今から310年前のこと、元禄時代、中国僧の東皐心越(とうこうしんえつ)禅師が大雄寺を訪問、当時の大雄寺住職は、13代廓門貫徹大和尚でした。
この間約300年の時が経ちました。
2001年(平成13年)東皐心越禅師の生まれ故郷である中国浙江省(せっこうしょう)金華府(きんかふ)浦江県(ほこうけん)に心越記念館が建設され、その落成開館式に臨むご縁をいただき、300余年の月日が過ぎ、遥かなる出会いに感謝し、感動の5泊6日の「東皐心越禅師 足跡巡拝の旅」をしました。
実は、この旅でたいへんお世話になった、浙江省仏教会理事の殷勤先生と知り合うことができました。
本当に有難いご縁でした。
2002年(平成14年)大雄寺主催海外交流「中国天童寺参拝の旅」を企画、檀信徒20名で5日間中国曹洞宗寺院の参拝の旅を実施することができました。
天童寺・阿育王寺・雪竇寺・浄慈寺・霊隠寺を参拝し、いずれも住職や監院と親しく懇談し、法要に臨み諸堂拝観をすることができました。
それぞれの寺院に特別なご配慮と交流の場を設けることができたことは、前の年に世話になった殷勤先生とのお陰でありました。
そして、本年5月牡丹開花の時期に胡弓演奏会が開催することができることは、仏縁とも思える、尊い出会いの賜物と深く感謝いたしております。
お迎えいたします胡弓演奏家マーリンさんは、浙江省歌舞団所属で有名な演奏家であります。
ヨーロッパやアメリカ、日本などで数多く公演をされ、殷先生のご紹介をいただき来日し、5月10日大雄寺の牡丹香る中での胡弓演奏会を開催する予定です。
310年前の東皐心越禅師の訪れがあったからこそ、殷先生との出会い、道元禅師が修行した天童寺参拝の旅の感動、そして、胡弓演奏会となったのであります。
出会いの不思議と有難さが心に染み、出会いの有難いことを強く感じております。