先ごろNHKテレビで曹洞宗の大本山永平寺が放映されました。
永平寺の住職は、104歳になられる宮崎 奕保(えきほ)禅師さまですが、お話の中で仏教徒の信仰生活についてたいへんわかりやすくお話をされました。
「体を真っ直ぐにして、まっすぐな心を保って正直に生きることですよ。」
「毎朝ご仏壇の前に姿勢を正しく座り、合掌と仏さまとの直線上にまっすぐに線香を立てて、毎朝2分でも3分でもご先祖様にお参りすることです。」とも言われました。
私たちの生命は、仏さまご先祖さまからいただいた尊い生命です。ご先祖さまへの報恩感謝の日暮しなのであります。
ところでご仏壇の中にはご先祖さまのお位牌が祀られています。位牌の裏には俗名と享年が記入されています。
享年とは「天から享(う)けた年数」という意味で、この世に存在した年数のことです。また行年とは「修行した年数」つまり、私たちはこの世、娑婆世界に修行に来た年数、という意味であります。
享年(行年)は、数え年で記されています。
数え年の計算法は、生れた年を1歳とし、以後正月毎に1歳ずつ加えて数える年齢です。
役所関係では満年齢を使えますが、仏教ではなぜ数え年なのでしょうか。
答えは、人間は母の胎内に十ケ月いて生れるのですから、その十ケ月と誕生日過ぎの数ヶ月を加えるからです。
つまり、オギャと生れて人間誕生ではなく、すでに母の胎内に宿ったことで人間誕生としているからであります。
数え年で計算する日本の行事は、喜寿(77歳)や米寿(88歳)などの長寿の祝いなどもそうですね。